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交錯タイトロープ
3-8
その高揚に突き動かされる様に大振りのパンチを振り下ろすが、恭はその腕を取って投げようとする。
だが、その投げが成立する前に渋谷は背中を向けた恭に瞬間的に膝蹴りを打ち込んだ。
脇腹辺りに衝撃が走り、投げられないままに二人は縺れながら前のめりに倒れる。冷たいアスファルトの感触が胸全体に伝わったと共に、上になった渋谷が上体を起こして拳を振り上げる。
雨に濡れた拳をそのまま生意気な後輩に叩き付けようと後頭部へ振り下ろされる!
「死ねやァ!!クソが!!」
「テメェになんざ…やらせるかよッ!!」
バックマウントの完全不利な体勢から恭は両腕の筋力を全力で稼働。連動させ、上体を無理矢理渋谷ごと押し上げる。その動作で渋谷の拳が軌道から外れるが、微かに後頭部を掠め、その頭は彼の顔面に衝突した。
「ガッ!?」
驚異的な背筋の稼働により、予期せぬ頭突きを食らった渋谷の体勢が崩れた所で、恭は本能的に腕を支えに膝を付き、その拘束から脱出。手を付きながらも身を反転させて間合いを取り直す。

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