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交錯タイトロープ
3-7
「近衛の爺さんの弟子なんだろ?もうちっとやんねェとエンジン掛かんねェかァ?」
足を下げた渋谷は両手を構えたまま前進。踏み込みと共に再度ジャブを散らす。
その手早い攻撃に恭は防御をしながら軌道を読み、反撃の糸口を見つけ、相手の拳の切れ間に飛び込んで拳を放つ。
カウンター、しかし浅い。
渋谷は殴られた頬を気にする事もなく、密着する距離の恭に膝を見舞う。だが、恭は更に踏み込み、腹部へと強引に掌打をねじ込んだ。
(なァ、ガッ!?)
片足を上げていた事により渋谷のバランスは崩れ、大きく後ろに倒される。
その一連の交錯を眺めていた津島と羽間は思わず、背中を向けている恭に飛び掛かろうとするが、沈黙を守ったままの村本に止められる。
「漸く暖まってきたぜ。そろそろ本気でやらせて貰うぞ、先輩」
静かに燃えるマグマを腹の中で徐々に燃焼させる様に恭はゆっくりと近付く。倒れた渋谷も息を吐きながらも直ぐに起き上がり、眼前の少年にかつてない程の快感を感じていた。
「あァン?何、余裕コイてんだテメエ!これからテメエをブチ殺してやっからよォ!!」

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