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交錯タイトロープ
3-4
その素晴らし過ぎるまでに流れる様な一連の行動に、館内全員が挨拶が終わったのだと気付くのに一瞬間が空いてしまい、疎らに、釣られる様に湧いた拍手には驚きと困惑が雑ざっていた。
そんな辺りの反応を他愛無い事だと気にかけないのか、壇上の女性教師は袖へと下がっていく。
「そ、それではこれで全校集会を終わります。一同、礼」
思い出した様に進行役だった生徒会の役員が礼を告げ、各教室へと帰ろうとする生徒達が歩を進めながら再びざわざわと騒ぐ。
「あの新しい先生…何かイイな…」「クールビューティってヤツ…?」などと、早速新たな女性教員の話題が始まる辺り、生徒達も少なからずインパクトを受けたようだ。
そんな雑談が交わされながら教室へと向かう雑踏の中で、この後はホームルームだけとなっている事に理子はほんの少しだけ考えて、前を歩くエナに囁いた。
「ちょっとゴメン、エナ。アタシ、これからすぐに帰るから先生に説明してくれないかな?」
「瀬名君探すんでしょ?いいわよ」
前の休み時間から事態を何と無く把握していたエナは、快く親友の頼みを受ける。

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