[携帯モード] [URL送信]

交錯タイトロープ
3-2
「だって幼なじみって言ったって、アイツとは兄弟みたいなモンよ?逆にそんな気持ちだったら一緒に暮らせないよ?」
近所のスーパーの話でもするかの様に理子はエナの問い掛けを軽く笑い飛ばす。そんな理子の態度にエナは残念そうに呟いた。
「…結局、二人してお子ちゃまなのね」
「え?何か言ったエナ?」
「何でも無いわ。周りがうるさいからじゃないかしら?」
とぼけるエナの言う通り、生徒達の「おめでとう」という感謝の声に何人かの悔やむ声が雑じっている。具体的な物では「うおおお!先生ェー!行くなァァァ!!」とか、「うおおお!白衣のリーサルウエポンが引退だなんてぇぇぇ!!」とか、「最後にもう一度、先生に注射されたかったッスゥゥゥ!!」など。一部の熱狂的な生徒からは最悪の通達だった様だ。
そして、次第に拍手が止んでいくのを見計らい、校長が再び発言する。
「という訳で今日から後任として入って下さる、新しい先生を紹介します。
『燕明』先生、お願いします」
校長が壇上より袖へと手を向けるとそこから、肩口まで切り揃えられた黒髪をヘアピンで整えた眼鏡の女性が歩いてくる。

[*←前][次→#]

2/47ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!