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交錯タイトロープ
10-9
「何だ!?」
叫び声と共に闇の中から何かが輝く!突如の襲撃に全員がそれぞれ身を翻して避ける!
襲い掛かったのは閃光と認識した瞬間、それは翻り、工場の天井を抉り飛ばす!
轟音に続き、瓦礫が降ってくる。回避したお陰で瓦礫に巻き込まれる事はないが、そこでサリアだけが孤立してしまった。
「おい、サリア!大丈夫か!?」
「大丈夫!それより…」
粉塵の舞う中、サリアは回避した位置から光の襲い掛かってきた方向を見つめると、そこに白い人影が照らし出される。
「よう、魔女ォ…」
現れたのは白い拘束服と鎖で身を縛り、伸びっぱなしの真っ白い長髪で顔を隠した男。だが、僅かに見えるその表情には狂気と殺意が漂っている。
「魔導器は俺が持っている。この街を消したくなけりゃ、俺の相手をするんだな!」
「どうも、ご指名みたいね…」
先の奇襲から意図的な分断を感じたサリアは、瓦礫の奥にいる恭達に向かって叫ぶ。
「先に行って!こうしている間にも時間が無くなる!リコちゃんを早く助けるのよ!」
僅かな逡巡の後、恭はサリアへと返した。
「……分かった!頼んだぞ、サリア!」
信頼を込めた返事を残し、恭は扉へと急ぐ。


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あきゅろす。
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