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交錯タイトロープ
10-2
聞き覚えのある声。瞬間で結び付いた犯人に恭の言葉が怒気を帯びる。
「理子は無事か!?」
『ああ、大丈夫。眠ってもらっているよ。まあ今の所は、ね』
「アンタ…、理子に何かあったらただじゃおかねぇ!!」
『んー?そういう態度でいいのかな?お姫様は我輩の手の中だ。そんな事をどうこう言ってるとどうなるのか分からない訳ではないだろう?』
神経を逆撫でするような黒巣の物言い。少年の理性は振り切れそうになりながらも、努めて怒りを抑えるように話を続ける。
「…用件を言え」
『そうだね、では手短に。君達とのパーティーだが、日を跨いで0時に開催する。彼女はその為の人質だ。そして時刻通り、早くても遅くても約束が守れない場合は彼女を殺す』
「何だと…」
「そしてもう一つ、パーティーには部外者は不要だ。よって、この位置探知をしていたアミュレット、いや護符と言えばいいのかな?そういった能力を持った助っ人には手出し無用でお願いするよ」
黒巣は既にハルアキの護符に気付いている。居場所が判明していると分かった上で更に釘を刺してきたのだ。

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あきゅろす。
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