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交錯タイトロープ
9-6



黒巣との戦いまで残り一週間。
蔵の結界では修業中の恭と一緒にキースが、鉄棍を振るうクェルナ相手に特訓を続けていた。
「何て拳舞だ……二人掛かりをこうも捌くとは…!!」
「お喋りをしている暇があるのか?」
虚を突かれ、驚くキースに魔女の鉄棍が翻り、魔法の散弾が放たれる。棍を二刀で受け止めるが、間髪入れずに襲い掛かる魔弾に対処が遅れる。そこへ恭が割り込み、魔弾を横から全て弾く。
だがクェルナはその隙に彼らの裏に回り、棍を大きく旋回!反射的にキースが障壁盾を展開するが勢いは殺しきれぬまま、激しい衝撃で横へと薙ぎ倒される!
「ぐあッ!!」
「これで終わりだ」
そのままクェルナは掌を突き出し、体勢を整えた恭へと身の丈以上の大きさの魔弾を放った!
「簡単に、やられるかよッ!」
避けられない攻撃を前に、恭は両手で木刀を前面に構え、敢えて突進!やぶれかぶれの愚行かと思われたが、事象改竄を展開して魔弾に衝突する!
「……うおおおおおおおおお!」
魔弾の圧力に後ずさりながらも何と受け止めた恭は、力を込めたまま下から無理矢理上体を潜り込ませ、膂力でもって木刀を救い上げる要領で、魔弾を跳ね飛ばした!
だが、
「隙有り」
魔弾の陰からクェルナが疾走し、鉄棍を突き出す!
「なっ!?」
弾き飛ばしで完全に身体が泳いでしまった恭は、事象改竄でどうにかダメージを低下させようとするが、余りにも速過ぎる攻撃に間に合いそうにもない!
苦し紛れの防御をした恭の眼には棍の先端が広がっていく。そこで突然、クェルナの攻撃は文字通り眼前で止まり、貫かれた空気が遅れて少年の髪を揺らした。

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あきゅろす。
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