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交錯タイトロープ
9-3
しかしそこで、更に強力な魔力吸収という式を取り付け、相手の解除を妨害すると同時に、先の二つの構築式を再生させるという、半永久的な魔力機関を形成しているのだ。
防御の結界として判断するなら、これは一つの完成型であり、クェルナが類い稀なる力を持った魔女だという事を現している。
だからこそ、サリアはこの結界の中に16日も閉じ込められていた。そして漸く見えた突破の糸口を構築していた。
「……多重解除式を構築!」
サリアの指先から幾十の解除式の羅列が展開!それぞれが結界に突き刺さり、異なる解除の波長を宿す!
先の構築式の変化を確認した上でサリアは確信した。結界の変質は一回に1パターンとなっている。それに対してサリアは同質の解除式だけではなく、異なる解除式を幾つも用意したのだ。
多重並列での構築式の作業実行は明らかに魔力消耗が激しい。だが、結界を破る為の算段と、それを実行する魔力の総量は身に付いた。時間を掛け過ぎれば、自分が不利になるだけではなく、それだけ元の世界の戦いに費やせる時間が無くなってしまう。


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