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交錯タイトロープ
9-2
サリアは結界を破る為に連日魔力を使い切る寸前まで解除を行っている。そして回復の為に寝るという一連の流れで魔力は実質徐々に増加してきた。
結界の解除は臨機応変に対応を求められるので、構築式には多重の指示式を同時に並べなくてはならない。それによってサリアにはいくつかの思い付きが生まれていた。
「……よしっ、行くわよ!」
己を奮い立たせ、サリアは結界に手を伸ばした。
触れた結界に同調、解除式を展開。同時に魔力吸収の防御式を構築。魔力吸収を遮断しつつ、色彩と色彩を、音色と音色を合わせる様に変化する結界構築を解析。
そして結界の構築式を解いていくと突如として結界の性質が変化した。青が緑に変化する様に、変質した構築式を展開。すぐさまサリアは先程迄の解除式を放棄。そこから次に緑色の魔力波長へと解除式を構築、波長を擦り合わせ、性質を似せて解いていく。
クェルナの構築した結界の構築は三つの性質を持つ。単純に対象を其処に留めるというだけの前提で、高密度の結界を構築。そこに無作為な性質変化という式を加え、解除を難しくする。これだけなら多少時間が掛かっても、いつかは結界を解除出来る。


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あきゅろす。
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