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交錯タイトロープ
7-18
「腕に違和感はないか?」
「ない!ないから放せって!」
「馬鹿者、多少の違和感でも神経を傷付けているのかもしれんのだぞ。本当に大丈夫なのか?」
当人にとっては容態の確認のつもりでも、クェルナに伸しかかられている恭からすれば本能と理性が鬩ぎ合う生き地獄である。
「おま、頼む、離れろって」
「……ふむ。大丈夫なようだな」
ようやく身体を放したクェルナから、恭は鼓動を落ち着かせようと更に離れる。その青臭い反応にクェルナは呆れて溜息を吐く。
「汝…、幾ら何でも女に不慣れ過ぎではないか?」
「あ、あのな!そんな事言っても、お前、密着し過ぎなんだよ!」
「そこが童貞臭いのだ。女も知らぬのか」
クェルナのストレートな物言いに、赤面する少年。
「ど、童貞とか言うな!お前、その顔で露骨に言うな!第一、修業とかでそんな気なんか起きなかったんだよ──って何、痛々しい物を見る目で見るんだよ!」
慌てふためく恭の言葉にクェルナは「ふむ」と頷く。そしておもむろに少年に近付いて、服を僅かにはだけてみせた。
「のあああああああ!!何やってんだぁぁぁ!!」
「なに、柔肌を晒して汝の反応を見ている」
「冷静に説明すんなぁ!!あああああ、やめてくれ、いきなり謎のイベント起こすのは!!」
クェルナの誘惑に対して健気にも目を背ける恭だが、魔女はその隙に乗じて、彼に手足を絡めてくる。
「だあああああああ!!何で再度密着するんですかぁぁぁ!?何だ、殺す気か!?エロス的に!!」
何故か敬語まじりの叫びを上げる恭。柔らかな感触が抗おうとする自制心を侵蝕していくので、正直一杯一杯である。


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あきゅろす。
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