[携帯モード] [URL送信]

交錯タイトロープ
7-3
老剣士は木刀を下ろして、キースの対処を評価した。そして、離れてから手合わせの感想を述べる。
「剣筋もさる事ながら、判断も中々。剣速は恭どころか師である儂よりも速い。その若さでその才ならば、ゆくゆくはお主は名だたる剣士になれる」
「そんな、それ程ではありません。まだ若輩者です。それにソウジュウロウさんこそ、そのお歳でこれ程の技量とは本当に感服します」
一手手合わせしてみて分かったが、宗十郎の剣術は鋭い。たった一撃とはいえ、異世界を剣術で渡り歩いたキースの間合いに瞬間的に踏み込んだ辺り、常人の域を超えている。明らかに何回か死線を乗り越えた強さだ。そう感心するキースに老剣士は一言加えた。
「先程の鬼神砕だが、恭にはまだ教えてないが、実はまだ他の型がある。今回はお主の実直な剣術に付き合ったが、次は別の型で手合わせしたいな」
キースにまだ手の内を全て明かさないという宗十郎の言葉に軽く驚いている間に、老剣士は道場を去っていった。





[*←前][次→#]

3/51ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!