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交錯タイトロープ
7-2
(あの構えは恐らく、キョウ君が私を倒した連撃──ッ!?)
キースが記憶から思い出す間も与えぬ勢いで老人は踏み込む。
一足、「とっ」という弾む様な足音で有りながら、差し足は迅速、反転する身体に連動した木刀は横軌道ではなく、振り下ろしの迅雷であった。
(キョウ君よりも鋭い!!だが!!)
宗十郎の斬撃を前にキースは二刀を掲げ、敢えて前進!
「くっ!!」
激しい衝撃が頭上に叩き込まれるが、下がる事なく宗十郎の一撃を止めた。
互いが踏み込んだ事によって呼吸が届く距離になり、木刀から伝わる衝撃が手に残る中、覇気を解いた宗十郎の口が開く。
「お主、恐らく恭からこの技を受けた事があったかね?」
「ええ。初段は確かに勢いがある剣撃。これを喰らえばひとたまりもありません。ですが、実はそれは防御する相手への布石で、本来なら続いて二段目に繰り出される後ろ回し蹴りに反動と加速を与える為の技。だからこそ、敢えて踏み込み、二段目の威力や蹴りそのものを殺す距離を刻みました」
「そうか」

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