交錯タイトロープ 7-1 ヒュン!! 近衛の道場の中を風切りの音が響く。 窓から射す朝日を受けて、青年の銀髪が剣舞と共に揺れる。 旋刃の左から刺突の右へ、更に三段突きを重ねて左に切り替えての踏み込み突き、そこへ左回転からの双剣での旋回、連結させて右袈裟斬り、左胴、そこから跳躍! 全身を使った交差斬りを繰り出して着地し、残心を残しながら呼吸を整えて二刀を納めた。 「中々鋭い太刀筋だな」 道場の脇でキースの剣舞を観察していた宗十郎は木刀を片手に感心していた。 「お褒め頂き光栄です。ですが私もまだまだ若輩なので修練を欠かさない様にしているだけですよ」 「ならば、一本手合わせを願おうか」 呼吸が整った所に宗十郎からの申し出。キースは宗十郎から流れてくる穏やかでいて鋭い剣気を肌で感じながら、木刀を構えて応える。 「ふむ」 宗十郎は木刀を逆手に握り、キースから隠す様に構える。これはかつて恭がキースを打ち破った「鬼神砕」の構えである事にキースは気付いた。 [次→#] [戻る] |