* Voice
+ Voice +
〜儚く散る声〜
「ん〜ん。」
太陽の光がカーテンの隙間から差し込み、朝をむかえた事を告げる。
そんな中私は寝返りを打ち、目を覚ましたのですが…
目を開けた瞬間。
目の前にいたのは…
「きゃあ△*#▽※!!」
朝っぱらから部屋中に響くナナの奇声。その奇声のおかげ(?)で目を覚ました者が約一名…
「どうかしたんですカ?」
ダルそうな体を起こし、眠そうに目を擦り、いかにも寝起きって感じだ。実際そうなのだが…。
「な、な、なんで、
あなたが此処にいるんですか?!!」
「噛みすぎですヨ〜
ナナお嬢様?」
喉で笑い嫌味っぽく言うブレイク。シャロンの時は素直に“お嬢様”と付けるのに、私の時はいつも嫌味っぽく言うのだ
確かに私はシャロンみたいに
淑やかではないが…
(私だってレインズワース家の血を引く令嬢なのに…)
「おや?服が乱れてますヨ
そんなんだと、襲われちゃいますヨ?vV」
危険な事を言っているのに、何故!語尾にハートを付けるのだ?と突っ込みたいがそこはあえて我慢した
「ここは侵入不可能な筈ですので大丈夫です!」
あなたを除いては、と付け加えて…
「心配ですヨ〜、あなたにもしもの事があれば私がシェリー様に殺されますから☆」
「…あなたがいる方がよっぽど危険です!…コホッコホッ…!」
「無茶をするからですヨ?」
少しして咳は治まった。咳をしている間、ブレイクはずっと背中を擦ってくれた。なんだかんだ言っても優しい。
「ありがと。もう、大丈夫、です…」
「自分の体は大事にして下さい」
ブレイクは擦っていた手を止め、ナナの顔を覗き込み優しく笑った
「その言葉。そのままお返しするわ」
ブレイク…
あなただって、
先は永くないのでしょう?
「おやおや、オウム返しですカ。」
やれやれ、っといった感じで呆れたような少し切ない感じで答えた
「ねぇ、ブレイク…」
私とあなた
どちらが先に
この世界から消えるのかな?
悲しく響くナナの声
この声は天にも虚しく響くだろうか?
* 儚く散る声. *
(例えどちらが先でも
ずっと一緒ですヨ )
- END -
BACKNEXT
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!