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* Reason
+ Reason +

  〜理由〜


コンコンッ――


「ナナです。頼まれていた書類をお持ちしました」


「開いてますよ」


「失礼します」


ナナはドアを開けゆっくり中へ入った


「御苦労様です」


中に入れば椅子にかけているジェイドに笑顔で迎えられた


「いやー、ナナは仕事が早くていつも助かりますvv」


「大佐…私の本来の仕事は陛下の秘書ですよね?」


「そうですが?
それがどうかしました?」


ケロッとした表情で返すジェイドに少し苛立つナナ


「なら私じゃなく他の人に頼んでくれませんか?
大佐の余計な仕事のせいで陛下に目が行き届かないんですが…」


「そうしたいのは山々なんですが
こちらも人手不足でして
何よりあなたみたいな優秀な人はいないんですよ

それに…」


「…それに、なんです?」

軽くため息をつき言い返すナナ


ジェイドは黙って立ち上がりナナの傍に立つ


「…大佐?」


どうしたのかと思い見上げればジェイドはいつになく真剣な表情をしていた


ドキッ――



そんなジェイドに不意にもトキメいてしまった


「分かりませんか…?」


そう言いナナを近くの壁まで追い込む
片手をナナの顔の横の壁に置く


「た、大佐っ///」


恥ずかしいのかナナは顔を真っ赤に染め下を向いている


ジェイドはそんなナナを無理矢理上に向かせ視線を合わせた



「…分かりませんか?
何故私があなたを使うか?」


この紅き瞳からは逃れられない

「わ、分かりませんっ!」


「それじゃ、教えてあげますよ」


ジェイドは顔をナナの耳までもっていき囁く

「あなたに逢うためですよ。ナナ」


そのまま顔上げもう一度視線を合わせるとまた顔を近づけた
目を瞑るナナ

バンッ――


ものすごい勢いでドアが開く音と同時に
ナナはジェイドから離れた


「おい!ナナを…ってやっぱ此処か」


「陛下、ドアを開ける時はノックをといつも言っているでしょう」


何事もなかったかのように陛下と話をするジェイド


「分かってるよ
おい、ナナ!…ってどうかしたか?」


ナナに近づき心配そうに見る陛下


「へ?」


「顔真っ赤だぞ?
熱でもあるのか?」


「それは大変ですね
すぐに医務室へ行かなくては」


誰のせいだと睨み付けてやりたかったが今のナナにはそんな余裕無い
それどころか今ジェイドの顔見ればもっと熱を上げかねない




「だ、大丈夫ですっ
失礼しますっ!」


深々と頭を下げると勢いよく部屋を飛び出して行った


「あいつ、どうしたんだ?」


「さぁ?」




(鬼畜眼鏡のバカぁぁあ///)
走りながら心で叫ぶナナでした。





(バカとは…上司に対する言葉使いがなってませんねぇー)


(…うっ…)


(お仕置きですvv)


由 *


- END -


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