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*00.5
「どうしてあなた方はそこまでして私をパンドラに連れて行きたいのですか?」


ずっと疑問だった…
その意図が分からない

私が仲間に加わったところで何の役にも立てないだろうから


「必要なんですよ…あなたが」


そう言われた時、正直びっくりした。初めて人に必要だと言われた…
必要だと言ってもらえる事がこんなにも嬉しい事だと思わなかった…


その時

「!!?」

窓から入って来た風がライナとブレイクの髪をなびかせた
その時見えてしまったブレイクの左眼を…

「………」


言葉も出なかった私だが、顔には表れていたみたいで見えてしまった事に気付いたブレイク


「失礼。見えてしまいましたか」

左眼を押さえながら
少し切ない表情だった


「どうされたんですか…その……」


それ以上言葉に出来なかった
言葉にしていいものか分からなかったから


「昔、盗られてしまいましてネ…」


少し微笑んだブレイクが余計痛々しかった

ライナはブレイクに近づき服の裾を掴んだ。どうしてこの時そんな事したか…自分にもよく分からない

ブレイクも少し驚いていた


「クスッ…哀れんでくれるのですカ?」


「そんなつもりじゃ……!」


顔が近い事に気付き恥ずかしくなったライナは少しブレイクと距離をおいた


「おや、何故離れるのですカ?
寂しいですネー。」



知ってるくせに
分かってるくせに
気付いてない振りをするブレイク



「あ、あなたは!……」

なんなんですか
そう言おうとしたがブレイクが私の口に人差し指をおき言葉を遮った


「“あなた”じゃなくブレイクですヨ。前に自己紹介したでしょう?」


「…ブレ、イク……」


「なんですか?ライナ」


初めて名前を呼ばれ、不本意にも鼓動が高鳴ってしまった


「な、何笑ってんですか!」


「クスッ…顔が赤いですヨ?」


そう言われ更に顔を赤くさせてしまった
そんなライナを見て笑いながら近づいて来て耳元で「待ってます」そう囁きベッドの下へ潜って行った


一瞬固まったが急いでベッドの下を覗いた、がそこにはもうブレイクの姿はなかった…。



(なんだったんでしょう…)



パンドラに行けば…

ブレイクの元へ行けば

私は必要とされるのでしょうか…?


「待ってます」

ブレイクのその言葉が耳から離れなかった


to be continue.†


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あきゅろす。
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