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*00.1 全ての始まり
ライナ ―17歳―

私は剣術の稽古を終え部屋へ戻ろうとした時
メイドに止められた


「ライナ様、お客様がお見えです。
居間でお待ち頂いてますのでそちらまでお願いします」



「お客様、ですか…?
分かりました。下がっていいですよ」


「失礼します」と深々と礼をしメイドは下がった






珍しい…



お母様たちに用がある人なら毎日たくさんいるが、私に用がある人なんて…いない。から



コンコンッ――

「失礼致します」

ライナは居間の扉を開けた
そこには私より年下の可愛らしい女の子と銀髪の男の人がいた


「御待たせ致しました。ライナ・ミナリィアです」


「お忙しいところすみません。
私はレインズワース家のシャロンと申します
そしてこちらは…」


「レインズワース家の使用人。ザークシーク・ブレイクと申します」


「…!!レインズワース家……遙々国境を越えお見えになられたのですか…?!」



レインズワース…
オズ達の住む国の4大公爵家の1つ
私の住む国とは違う



「はい。あなたに直接伺いたいことがありましたので」


ニコニコ笑いながら答えるブレイク
その笑顔が逆に怪しく感じる


「なんでしょうか?」


「それよりおかけになってはどうですか?
あー私が言うことでもありませんでしたね。」


「失礼しました」と言いながら全く悪びれた様子はない


でも確かに私は扉の前シャロン様は少しテーブルから離れて立たれていてブレイクさんはテーブルの上に座っている

こんなところまでわざわざ来たのだからすぐに済む話でないのだろう。


「そうですね。シャロン様もどうぞおかけになって下さい」


「ありがとうございます」


シャロン様達はテーブルのソファに座り
私はメイドにお菓子とティーセットを持ってくるように言い座った


テーブルの上に紅茶とケーキが並び準備は整った


「―それでご用件は?」


「私はですね。あなたの“力”について知りたいのですよ」


目の前にあるケーキを頬張りながら言うブレイク


「“力”…ですか」





私の…産まれながら持つ“力”の事だろう。


私は人の傷を癒す事。そして、宙に浮く事。正しく言えば私の背中には羽があり空を自由に飛ぶ事や瞬間移動も出来る


その事だろう。



でも、どうしてその事をこの人達が知っている?
時々城から脱け出したりしているが…
人前で“力”を使った覚えはないからバレる事はないハズなのだが…



「…どこでそれを?」


「私達はパンドラという組織に属しています。
そこの裏情報であなたの事を知りました。」



「そうですか」と言いライナは立ち上がり窓から外を眺めながら話した


私の“力”の事を――…


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あきゅろす。
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