[携帯モード] [URL送信]
*06 存在理由
「…オズ……?」


壁に寄りかかり刻印がある方の胸を抑えるオズ


ギィ――


ギル達もオズがいないのに気づいたのか
部屋から出てきた


「どうかしたのか…?」



「ん〜ん?
なんでもないよ」


笑顔で言うオズだったけど私はそれが余計に痛々しく感じた

ギルも同じ思いだっただろう…





†  †  †


ライナはエコーから預かった手紙をギルに渡した
ヴィンセント様からの手紙…



それから今までの事をオズに話した。
あたしが10年経っても姿が変わらない理由
パンドラに属し今はレインズワース家の使用人である事
熊栗鼠(チェイス)というチェインと契約を交わした事



オズはすぐに納得した
ギル達の事を知っていたからかあまり驚いた様子はなかった

それは…
オズの様子がおかしかったからかもしれない――…





「…でもなんでレインズワース家の使用人になったの?
ライナの身分なら養子としていれたんじゃない?」



「それは…」


言葉が詰まる…
正直に言う事が…言葉にしてしまうのが怖い

それでもオズはずっとライナを見ていた



ライナが口開こうとした時

「それより、腹が減っただろう?
晩飯の材料でも買いに行くか」


「晩飯か!」


アリスは張りきって扉を開けた


「ほら、何をしてるんだ
さっさと行くぞ!」


ボケーっとアリスを見ていた3人に言う


「待ってよアリス」


オズは急いでアリスを追いかけた


「……行っちゃった」


「あのバカウサギ…」


頭を抱えるギルが面白くて少し笑ってしまった

「…ギル」


「あ?」


「ありがと」


「…あまり無茶するなよ」


「分かってる……大丈夫だ」


そうして私たちも部屋を出て街へ向かった


[*BACK][NEXT#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!