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*01 罪なき平穏

それは嵐の夜



成人の儀が紅き血に染まる瞬間-トキ-



「我が断罪の鎖を以っして
今お前に裁きをくだそう」




(ヤめて…)




「お前の罪…
それは―――



お前の存在そのものだ」


「ヤめてぇえ!!」






全ての光は闇に飲まれていった







 † † †

「…うっ……」



静かだったお屋敷に
少しずつ声が広がっていく



(いたっ…
血を流しすぎた
骨も何本かやられたみたい)



節々が痛む体を
必死に起こし辺りを見渡す




「…!!
ギル…!!
…ギルバード!!」



赤く染まったギルの側に駆け寄った
すごい出血だ


「ギル…!」


ギルは目を覚ました
起き上がった


(ホッ…)


生きていた事に
安心するライナ



「痛っ…」


「あまり動かない方で
すぐに傷の手当てを…」


「…坊っちゃん
坊っちゃんは!!」



完全に目を覚まし
目を見開き
思い出したかのように叫ぶギル。



ライナは首を横に振った




「そんな…」


「ギル、落ち着いて」


「嘘だ…坊っちゃんがいないなんて」


「ギル…」


「嘘だぁぁあ!!」


「ギルバード!!」




ギルはその場から去った




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あきゅろす。
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