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「お、おい」
「どうしたの?」
「奥に進む前に一旦オズの所に戻って…」
「駄目だ
それでは気配を追えなくなる」
「そういうこと。
だけど…別にギルだけオズのところに戻ってもいいのよ?
蟲[グリム]と戦う自信がないのなら…vv」
満面の笑みで言うライナに対し何も言えなくなるギル
「…本当に近くに蟲[グリム]がいるのか?」
「間違いない
この臭いがわからないとはな…
幸せな奴め」
「臭いは分からないけど気配がすごいわね…
でも、なんでいるのかしら…」
ブレイクの話では先日捕らえて
パンドラで監視してたはずなのに…
2人が進んで行く中ギルは止まった
「…やっぱりダメだっ
これ以上オズを一人にしておくわけには…」
「あら?逃げ出したくなった?」
怖いくらいの満面の笑みのライナ
「そんなんじゃ…!」
「残念だったなあ鴉
もう遅い」
目の前には蟲[グリム]と契約者の男がいた
男は息を乱しとても苦しそうだ
「相変わらず醜い姿だな…!」
「お、おまえらは…パンドラの追手か…?」
契約者の男が途切れ途切れに言葉を発した
「だったら何です?」
「…黒うさぎ[ビーラビット]…黒うさぎ[ビーラビット]がいるぞ…!」
蟲[グリム]はアリスを見るなり喋りだした
ギルはアリスの前へ出り蟲[グリム]に銃を向けた
「あいつを喰え!!
あいつを喰うんだ早く!!
そうすればきっと…アヴィスの意志は喜んでくれる」
「はっ…アヴィスの意志…だと?
ふざけるなクズが!!」
アリスは岩に足を置き怒鳴った
「あいつを喜ばせてやるくらいなら
ブレイク[ピエロ]の前で阿呆踊りをやらされる方が百何倍もマシだーっ!!」
(ブレイクってそんなに嫌われてるの?アヴィスの意志よりは好かれてるみたいだけど…)
「!!」
いきなり蟲[グリム]が攻撃してきた
「2人は下がってて!」
ライナは戦闘体制に入った
「ふざけるな!
こいつは私の獲物だ!
力を解放しろ鴉!!」
「おまえは…「何言ってるの!
オズがいなきゃ力解放出来ないんでしょ?!」
2人はやっと思い出したみたいだ
「このっ役立たず!」
「おまえが言うな!!」
後方で虚しく騒ぐ2人
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