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物語
第24話 二つの仮面




フレイ「此処がオリジンの眠ってる遺跡…か…!」


翌日になり、朝ノエルを出発した一行は、3時間かけて昼頃にオリジンの眠る遺跡へとたどり着いた。
見た目は灰色の煉瓦の建物にツルがたくさん付いている、いかにも古そうで精霊がいそうな雰囲気を感じる建物だ。

中に入ると全く明かりが灯されていなく、暗闇に包まれていた。


メル「うわぁ〜…真っ暗で何も見えないよ;」
アルヴォンド「俺に任せとき♪―ルナ!」
ネリア「お!一気に明るくなったな…感謝するアルヴォンド」
アルヴォンド「気にせんでぇえよーネリアちゃん♪」
フレイ「……」


明るくなった遺跡内の中、アルヴォンドを見つめるフレイ。
その視線に気付いたのか、後ろにいるフレイへと振り向く。


アルヴォンド「ど、どうしたんやフレイくん……そんな見つめてきて」
フレイ「いや…おまえ、こうして精霊を使って今まで一人で過ごしてきたのかなって…思ってさ」
アルヴォンド「!!……」
ネリア「そういえば、私はお前のことを何も知らない…知りたいぞお前のことも」
メル「メルもお兄ちゃんの事知りたい!」
フレイ「お前のことを知りたい…教えてくれないかお前の過去を」
アルヴォンド「……そや!あの先に珍しい壁画が―」
フレイ「あ、コラァアア!!話をそらすなよアル!!;」
メル「待ってよフレイ兄ちゃぁあん!」


先に歩くアルの後を追うようにフレイとメルも追いかけるのを後ろから見つめるネリアとりん。


ネリア「ぐぬぬ…自分の事になると話をそりよって…」
りん「……」
ネリア「?どしたのだりん?昨日の夜から黙っていて」
りん「なんでもありません、さて…アルヴォンドさんとフレイさんの後を追いますよ♪」
ネリア「?ぉ、おう…」








第24話 二つの仮面









遺跡の最奥、開けた広い部屋の中心には、大きな祭壇があった。
それを見て開いた口が塞がらないフレイとネリア。


フレイ「スゲェ…これが精霊の眠るところなんだな!」
メル「おっきーーぃ!」
ネリア「上手く言葉に出来ない…」
りん「此処に精霊オリジンがいるのですか?アルヴォンド…さん…?」

アルヴォンド「嘘や…そんな…ッ?!」


一人アルヴォンドは顔を青く染めていた。


フレイ「アルどうしたんだ?」
アルヴォンド「オリジンがいないんや…」
ネリア「いや、見れば分かるぞ」
アルヴォンド「いや、そうやのうて!いや…なんて言えばええんかな…ッ」
りん「……」
メル「アル兄ちゃん落ち着いて!」
アルヴォンド「その、精霊存在そのものが無くなったって言えば分かってくれるか?」
フレイ「存在自体消えたって事か?」

アルヴォンド「そうや、精霊が祭壇を離れて移動した場合、祭壇に精霊がいなくても精霊がいる空気があるんや…でも今は違う。空気も何も感じないんや…」
ネリア「ぇ…それじゃあオリジンはどこに消えたのだ!」





???「おや…まさかこんな所で出会うなんてね」
『『?!!』』

アルヴォンド「お前は…ッイルフォンス」
イルフォンス「やぁ…元気そうじゃないか“愛しいヒト”?」
アルヴォンド「だから!!その呼び方やめろっちゅーとるやろッ!!;」
フレイ「お前は…」
ネリア「あの時の」
りん「仮面の人…ッ!」

イルフォンス「そういえば君たちには自己紹介はしていなかったね。僕はイルフォンス。グリュエル騎士団gTなんだ…よろしく♪」
フレイ・ネリア・りん「グリュエル騎士団?!!」
アルヴォンド「せや…こいつは敵やで」


そうアルヴォンドは言うと、腰にある刀を鞘から抜いて臨戦態勢に入る。


イルフォンス「はぁ…まだ僕を思い出してないのかい?」
アルヴォンド「うるさい…で!」


アルヴォンドはイルフォンスに向かって飛び出し行った。


アルヴォンド「紫炎獄龍翔!!」


アルヴォンドは秘奥技を繰り出し、イルフォンスに向かって放った。
だが、イルフォンスは余裕の笑みを浮かび、そして


イルフォンス「仕方ないね…」
アルヴォンド「?!!」
フレイ・ネリア「な…ッ?!」
りん「あれって…!」
メル「ひぃい!;」



すると、イルフォンスの前に黒い大きなバリアが現れ、アルヴォンドの技を無効化した。












イルフォンス「紹介するよ…僕の精霊の“アスカ”“オリジン”“マクスウェル”“アニマ”だ」


アルヴォンド「うそや…精霊を扱うことが出来るのは…操霊種族だけな筈やで…?」
イルフォンス「これを見てもまだ思い出さないようだね…






アルヴォンド」


―ドクンッ


アルヴォンド(…ッ?!なんや…頭が…痒いような…イライラするッ…?)
りん「アルヴォンドさん!?」
フレイ「アルどうしたんだ!!」

アルヴォンド(この声…名前…聞いたことがある…?)





イルフォンス「仕方ないね…僕から紹介するか。改めて…」
アルヴォンド「!!やめ―ッ!」


聞いちゃいけない、
そうアルヴォンドの脳内には危険信号が鳴っていた。
聞いてはいけないような…


イルフォンス「僕は―」
アルヴォンド「いややぁあああ!!」



(早く逃げるんだ!)
(君だけは無事でいて…)
(頼んだよ)



アルヴォンド(!?!)







イルフォンス「イルフォンス・ルフィーリア。君の片割れ…双子の兄さ。ね、愛しの弟よ…」


フレイ「な!!?」
ネリア「双子?!」
りん「アルヴォンドさんとイルフォンスさんが…双子の…兄弟…ッ!?」
メル「そんな…アルお兄ちゃんの兄ちゃんが…敵だなんて…!」



アルヴォンド「ぁ…ッ」





(約束だ…必ず、次逢う時は…ッ)




アルヴォンド「     」





(君は自由で強くなってるって信じてるよ…アル)







どうして…俺たちは出会ってしまったんやろ…






第25話に続く






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