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物語
第20話 雪の大地




フレイ「ふぅ〜!やっとあの砂嵐と砂漠地帯を抜け出せたぜ…街だぁああああ!」
ネリア「此処はどこなのだ?」
ガザフ「此処はカエレスティス大陸の首都ともいえる「砂國ホルト」だ。ここの港地区に行ってメルちゃんの生まれ故郷の大陸へ行こう」
りん「そうですね!勝手に家を抜け出したとはいえ、メルちゃんのおじいちゃんも心配しています」
メル「ぅう…絶対殺されそう…;」
ネリア「それだけの事をしたんだ。せめて顔だけ見せに行かんとな」
フレイ「んじゃ、早速港地区に行こう!」






第20話 雪の大地







フレイ「すげーー!でっけぇええ船だなぁあああ!!///」


フレイたちは港地区に行くと、そこには豪華客船級の船があった。
どうやらこの船で雪の大地「ネーベル大陸」へと向かうらしい。


ネリア「これはすごい…こんな大きなものが海の上で移動するのか…!」
ウォード「沈んだりしないのか…心配ですね」
フィーネ「ふふ…大丈夫よウォード君♪意外とお茶目なのね〜可愛いわ〜」
ウォード「!!///な、かかか可愛いだなんて…ッ!;」


ふいにフィーネにそう言われ、顔を真っ赤に染めて恥ずかしがっては焦るウォード。


ネリア「よかったなウォード、褒められて♪」
ウォード「ね、ネリア様?!;」
フレイ「ぶふッ、可愛い…ッだって…!良かったな…黒髪…、くくッ…!///」
ウォード「フレイ…貴様、死ぬ覚悟はできているな?そこになおれ、切り刻んでくれる!!」
フレイ「ぇ?!;ちょ、ま、ぎゃぁあ!てめぇ何すんだ!マジで当たるところだったろ!;」
ウォード「うるさい黙れ!!四肢共々切り刻んで―」
ガザフ「やめんか二人とも!!」

―ゴンッガンッ!!

暴れるフレイとウォードに対して、見かねたガザフは二人の頭を思いっきり拳骨をお見舞いした。
二人はあまりの激痛にその場にしゃがみ込んで頭を手で押さえては唸っていたのであった。











船で移動をしてから3時間後。
ネーベル大陸の港町カルエへと着港した。
皆は船の外を出ると、物凄い冷気が体中を襲ってくる。


フレイ「さ、寒い…!暑かったり寒かったり極端すぎる!!;」
ネリア「ウォード…さ、寒いぞ…!」
ウォード「私もです…ネリア様ッ…」
りん「こ、こんな寒いのは初めて経験しました…!;」


体をぶるぶると震えて寒さを訴える3人に対して、フィーネ・ガザフ・メルは無表情で彼らを見つめている。


ガザフ「そうかぁ?ちょうど良い方だと思うんだがな」
フィーネ「とてもヒヤッとして、お姉さん気持ちいわよ〜♪」
メル「これでもまだ暖かい方だよ〜?」


4人は何か負けたような敗北感を感じたのは間違いない。













フレイ「んで、メルの家はどこなんだ?」
メル「んーとね!此処から北西にある森のはずれにある小屋があるの!そこだよ♪メルが案内するからついてきて♪」
りん「あれ?村に住んでるんではないんですか?」
メル「あ、その…」


りんの問いかけに対して、メルは気まずそうにみせる。


ガザフ「エルフは血筋に厳しい種族なんだ。だからハーフエルフは半端者として疎まれ苛まれ居場所を追い出すのが掟なんだ。だから森のはずれに家を建て、誰にも気を使う事なく生活する場所を作って住んでいる…だろ?」
メル「ぇ…?ぅ、うん…そうだよ…?」
りん「酷い…ハーフがそんなにいけないのですか?種族が違うだけで心も皆同じ“ヒト”なのに…ッ」
ガザフ「…まない」
フレイ「?なんか言ったか親父?」
ガザフ「!ぃ、いや…なんでもない。さぁ〜て、メルちゃんのおじいちゃんが心配してる…早く家へと向かうぞ♪」
フレイ「あ、ちょっと待てよ親父ー!;」
メル「…?」














―…ザッザッ

雪を踏む音が一面が真っ白の森の中に響き渡っていた。
静かにしんしんと降る雪のなか、フレイたちはメルの導かれるがままに歩いていた。


フレイ「な〜、メル…まだ着かないのか〜?いい加減寒くて死にそうだ…ッ;」
メル「あ、あれだ…やっと着いたよ皆♪」


木々の間に見える木で造られた家が見えた。
どうやらそれがメルと祖父が一緒に住んでいる家らしい。


フレイ「よっしゃぁああ!じゃあ早速お邪魔―」


フレイは我先にとメルの家へと向かおうと足を進めた、
―その時、




『ぐぁあああああああああああああああああッ!!!!!!』
皆『!?!?!?!』


急に森の中に響き渡った断末魔の叫び。
その声はメルの家の方からした。


メル「この声は…おじいちゃん!!」
フレイ「あ、メル!―…って親父?!」


メルの後を誰よりも早くガザフが追いかけた。
ガザフに続いて皆もメルの家へと走る。
木々を抜け、目の前に家が見えたその先には―


ネリア「?!」
フレイ「親父!メル!!大丈夫か―…?!」


メルの祖父と思わしき人物が横たわり胸から右のわき腹にかけて深い傷を負って出血していた。
そしてそんな祖父の名を涙を流して呼び叫ぶメルと、二人の前に出て守るように立ち、手にしていた武器を雪の上に落としては目を見開いて驚いた様子を見せるガザフの姿があった。

そのガザフの視線の先には―…


フレイ「おん、な…?!」
メル「おじいちゃん!しっかりしてよ!!」
ガザフ「な…ッ、ウソだ…!そんなの…どうしてッ…?」
メル「おじいちゃん!」
メルの祖父「ハァ…ハァッ、メル…帰ってきたのか…?いいか…メル、よく聞くのだ…ッ、あの女性はな…!」








メルの祖父「お前の…母さんだッ…!」
メル「ぇ…?」



ガザフ「どうしてお前がここいいるんだ!ルーシィッ!!!:」






第21話に続く








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あきゅろす。
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