深い闇の底で見つけた光
09
浪士たちはそういうと、私たちから手を離す。そのまま素早く薫に手を引かれて、浪士から離れた。
「知ってるなら話は早いよね。……どうする?」
チャッと音を立てて、沖田は自分の刀に手をかける。それを見た浪士は身を翻して去り際に言った。
「…くそっ…飲み直すぞ!」
「お前はどうする?」
「…覚えてろ!」
浪士たちが去っていったあと、薫は軽く髪を直すと、沖田のもとに歩み寄った。
「ありがとうございました。私、南雲薫と申します。そしてこっちが…」
「わ、私、江藤雪音と申します。助けていただいて、ありがとうございました!」
お礼を言って、ぺこりと頭を下げる。
「…君って見た目より過激だよね」
「…へ?」
思わず目を瞬いてしまったが、沖田は一度笑っただけだった。
その後、千鶴を引っ張って薫の隣に並ばせる。
「…え?あの…!」
「いいから」
それだけ言うと、沖田は二人を見比べる。私も見たかったから、二人を見比べた。
「やっぱり……よく似てるね」
「そっかぁ?オレは全然似てないと思うけどなぁ」
二人の意見を聞いたあと、千鶴は薫を覗き見る。
「いや、似てるよ」
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