深い闇の底で見つけた光 05 「…君は、生きたいと思わないの?」 私の戦いかたに何か思ったのか、沖田は私そう聞いてきた。 「突然質問とかなんだと思ったらそれか。…そうだね、思わないよ。でも私は、薫を守るためにここに居る。ただそれだけ」 沖田は強い。だから私は…。 「…たとえ、羅刹の力でこの身が滅びようとも…!」 羅刹の力を、使う! 「雪音っ!」 ふっと身を低くして、力を解放する。 沖田はさっきので大分力を失ってるはず。 行くなら今っ! 薫の制止も聞かないで私は地面を蹴った。 たったの数歩で辿り着ける距離。 だけどなんだか遠く感じた。 そうだ、羅刹には昼が厳しい。 …けど、それがなんだ! 「…やあっ!」 勢いよく、沖田の頭上に切り込む。 「やめてぇえええ!!」 それと同時に響く千鶴ちゃんの悲鳴。 赤い鮮血が飛び、黒い髪が視界に映った。 「…え…?」 [*前へ][次へ#] |