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深い闇の底で見つけた光
06
それからは綱道とあまり会話をせずに薫が帰ってくるまでを過ごしていた。

「…薫、遅い」

「誰が遅いって?」

「わ、薫!?」

声がして後ろを振り返ると、そこには薫の姿が。

「おかえり」

「ただいま」

薫はそう返事をすると、入口付近に腰を降ろした。

「…どうだった」

「…新政府軍が甲府城を抑えたと聞いて新撰組のやつらだいぶ動揺してるみたいだよ。鉄の規律を守った連中も内部に亀裂が生じてきてる 」

「それって…!」

私がそういうと、薫は黙って頷く。そして、綱道も少し険しそうな顔で言った。

「…時が満ちたようだな」

「…千鶴を助けに行かなくちゃ」

そのまま薫は立ち上がりかけたそうとする。

「待って。私も行く」

「雪音…」

薫は私のほうを振り向いて苦笑した。さすがに今回は快い承諾はもらえないようだ。

「連れていってあげるといい。私のもとにいるよりも薫のもとにいたほうが安心だろう」

「…わかった。雪音、なにが起こってもしらないからな」

「…うん」

私は覚悟を決めて頷くと、刀を持って立ち上がる。

荷物はここに置いておこう。全てが終わったら、ここに戻ってくるつもりだし。

私たちは綱道に別れを告げて、走り出した。



(第六章:終)

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あきゅろす。
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