深い闇の底で見つけた光 04 薫の腕の力が更に強くなる。 意識が掠れていく中、ただ、薫を見つめていた。 …憎しみと悲しみが入り混じったような…。 私と、似てる感じがする…。 「………」 パッと離された手。いきなり空気が入ってきたことで、咳き込んでしまった。 「けほっ…!こほっ」 「…変な奴」 薫はゆっくりと立ち上がって、私を見下す。 「なんで何も言わないんだよ。少しは苦しそうな顔すればいいだろ」 「…薫は、私に苦しそうな顔して欲しかった?」 私の質問は予想外だったのか、薫は目を見開いた。けれど、すぐにへぇ、と楽しそうに笑った。 「お前、気に入った。俺と一緒に来る気はない?」 「…え?」 今、何て言った…? つい、嬉しくなって薫の手を取った。 「いいの!?」 「…く、あはははは!!本当面白いね、お前。そうだ、その服じゃ街も歩けないだろ?着物を調達しなきゃな」 私、とりあえず薫と一緒に入れることになりました。 首を絞められたときは殺されると思ったけど、まあなんとかなるでしょ。 安心していると、薫が私の方を向いて言う。 「あ、役に立たなきゃ捨てるからね」 …私、どうなるんだろう…。…急に不安になってきた。 …てかその台詞、沖田さんに似てる…って。 (序章:終) [*前へ] |