深い闇の底で見つけた光
05
深いまどろみの中にいると、ものすごい音が響き、私はすぐに目を開けた。
「…な、に…?」
大砲の音が遠くから聞こえる。
まだ眠気の残っている頭で私は薫の言葉を思い出した。
「…そういえば荷物整理しなきゃいけないんだっけ。あの後すぐ寝ちゃったからはやくやらなきゃ…」
部屋の隅に置いてある鞄をとると、チャックを開ける。
「いろいろあるなー。出来れば全部持っていきたいけど、やっぱり無理だよね…」
「持っていきたいなら、持っていけばいいんじゃないか?」
「…ん?あ、薫」
声がして見上げると薫がいて、私を見下ろしていた。
「…でもこんなに平気なの?」
「さあね。どっちにしろ雪音が持つんだし」
「…あ、そゆことね」
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