深い闇の底で見つけた光
04
「わかった。薫の荷物は?」
「心配しなくても、俺はもともとそんなにないし。それより自分の心配した方がいいと思うよ?」
「…おっしゃるとおりです…」
私は自分のスクールバックを見てうなだれた。
「…それじゃ、俺はもう少し仕事あるから」
「あ、うん。頑張ってね!」
薫は了承の代わりに軽く微笑むと部屋からでていく。
一人になったところで、私は机に突っ伏した。
「…もうこんな時代になったんだな…」
新撰組の人達も生きていて欲しいけど…。
それは無理な話だ。私みたいに未来を知っていないと、きっと死の運命は変えられない。
祈るしか、ない。
「…はぁー…」
ため息を吐きながら空を見る。日が出ている昼も、私から見ればまだ夜だ。
「…なんかいろいろと考えすぎて疲れたな…。薫が帰ってくるまですることないし寝ちゃお」
目を閉じて後から襲ってくる睡魔に身を任せて、私は深くも浅い眠りについた。
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