深い闇の底で見つけた光
03
「…あ、そうなんだ」
薫らしい答えだなぁ…。
私が少し黙ったところを見て、薫はこれからの事を話し出した。
「…どの道言わなきゃいけないとは思ってたけど、忙しくて話す機会がなかったんだ」
「これからのこと?」
「そう。言わなくてもだいたいわかっているよね?」
「うん」
私が知っている未来どうりなら、この先は戦争が起こる。
薩摩、長州、土佐の新政府軍と新撰組がいる旧幕府軍との戦い。
それが起ころうとしているのだ。
「…それで俺は、新撰組にいる妹を救わなくちゃいけないんだ」
「だから綱道さんと一緒に行くんだね」
「そう。雪音はどうする?」
「…私も連れていって。ここに残ったって何もすることないし」
そう言うと、薫は静かに目を伏せた。
「…まあ、わかってたけどね。ついて来るのは勝手だけど足手まといだけはならないでよ」
「もちろん」
これでも結構戦えるようにはなったんだから。
「それと、ここを出る支度をしておいて。いつになるかわからないけどそのうちここを出て行かなきゃいけないからね」
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