深い闇の底で見つけた光 02 目を開けると昔の家のような天井が見えた。 私、なんで家の中なんかに…。 ひとまず、羅刹から逃れることが出来たらしい。 「…起きた?」 「っ!?」 その声の方を向くと、黒髪の長い人が立っていた。声からして男だろうか。 部屋の中が暗くて、顔が見えない。 「危なかったね。俺が助けなきゃ、今頃死んでたかもな」 「だ…れ?」 聞き覚えのある声。薄桜鬼のキャラで、黒髪の長い人、…というか背中あたりの人なんていたっけ…? 「人に名前を尋ねるときは、自分から言うのが礼儀だよね。まあ、いいか。特別に教えてあげるよ」 ああ、そうか。この人の名前、わかった。 「俺は南雲薫。お前の名前は?」 …やっぱり。 「あ…えと、私は江藤雪音です」 薫って、髪こんなに長かったんだ。じっと見入っていると、薫は何?と一言言った。 「…あの、助けていただき、ありがとうございました」 あれは助けたのに入っているのか、と私は思いながらも、頭を下げてお礼を言った。 「あれを助けたと思ってるの?」 さらうのと、同じようなものだよ?と薫は言う。 [*前へ][次へ#] |