深い闇の底で見つけた光 02 「…ただいま」 不意に気配を感じて私はその気配に刀を突き付ける。 その先を見ると、薫、が。 「…ひっ…!」 笑ってるけど、絶対怒ってる…! 私は刀をしまうと、素早く謝った。 「…ご、ごめんなさい…!」 「…いや、別にいいんだけど。素振りするなら、外で…あ」 薫は私の持っている刀を取ると、ゆっくりと引き抜いて下ろした自らの髪に当てた。 「…な、なにして…!」 私の言葉を無視して、そのまま薫は無造作に髪を切る。 「…あーあ。似合ってたのに…」 しかも、私の刀で切るか、普通。 「…もう女装する必要無くなったしね。これからは”俺”でいくよ」 というわけは、洋装の薫が見れるというわけですね! 「え、じゃあ、沖田さんに変若水を渡してきたの?」 「…まあね。本当、どこまで知ってるんだか」 「…あ。…ってコレはこの前薫が独り言で呟いてたじゃん!」 「…聞いてたの?」 「…聞かない方がおかしいと思うけど」 同じ部屋に居て、聞こえない方がおかしい。 …まあ、知ってたけどさ。 [*前へ][次へ#] |