深い闇の底で見つけた光
08
「一度にそんなに食べるから」
「だってお腹減ってたんだもん…」
そう言いながら私はまたひとつ、口へと運ぶ。
「次からは俺が作ってあげるよ」
「本当っ!?やった!薫の手料理を食べれるなんて夢みたいっ」
「そんな大袈裟な…」
そんな事を言いながら、のんびりとお茶をしている私たち。
今だけ、羅刹や鬼、新撰組の事を忘れられた気がした。
「…ごちそうさまー」
最後の一口を食べ終え、私はそのまま後ろに倒れる。
食べて満足したからか、途端に眠気が襲ってきた。
「…ふぁ…ねむ…」
「もう夜中だしね。ここまで起きていられた方が凄いよ」
「…ん…。…おやすみー」
力無く手を振った後、私はそのまま意識が無くなった。
(第二章:終)
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