深い闇の底で見つけた光
06
あんな結末には、させたくないもの。
ゲームでも、アニメでも薫が生き残るルートはなかった。
だから私が作るんだ。
いろいろと決意をした後、私は変若水を懐にしまった。
「…よしっ」
「…何がいいのか俺にはわからないんだけど」
「…ぇ?」
ピシッという音と共に、額に痛みが走る。
「…った」
すぐさま額に手をあてて薫を見上げた。
「…何すんのよー」
「お前が訳のわからないことをするから」
「なにそれ」
ぷくーっと頬を膨らませると、薫が私に手ぬぐいを投げる。
「…もう夜だよ。さっさと体拭いて、寝な」
「あ、うん」
手ぬぐいを持ってさっと立ち上がると、薫が水の入った桶を持ってきてくれた。
「…あ、ありがと」
「…俺、廊下出てるから。終わったら呼んで」
「うん、わかった」
薫が廊下に出たのを確認すると、手ぬぐいを水で濡らす。
着物を少し開けさせてから、手ぬぐいを絞り、少しずつ体を拭いていった。
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