深い闇の底で見つけた光 01 そう、あれは学校の帰り道。なぜか、目眩がして激しい頭痛とともに、私は意識を失った。 今思えば、あれが始まりだったのかもしれない。 はぁ、はぁ、と息を切らして走りながら後ろを見る。 白い髪に、赤い瞳。 ――羅刹だ。 風景は京都のような造りだった。 私は同じような道をさっきから走り続けている。 「な、んで…!私が、こんな目にっ…!」 せめて、刀さえあれば、とか思っても、私が扱える保障もない。 どこかに隠れるしかないかなぁ…。 すぐそこに見つけた横道を入り、適当に裏道を右へ行ったり、左へ行ったり。 途中、いきなり何かに掴れた。 「なに…!む――」 「静かに」 口を押さえられ、喋ることができない。 その手から逃れようと、ジタバタと動く。 「……っ!」 腹部に鈍い痛みが走り、私は意識を失う。 「静かに、って言ったのに」 くつくつ笑うその人物は、少女を担いで闇に消えた。 [次へ#] |