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紅き血の誓い
06
ちら、とみんなの表情を覗き込む。

兄様は衝撃を受けたように目を見開いていた。

土方さんは苦虫をかみつぶしたような顔をしていた。

…総司は、腹を抱えて笑っていた。

それを見て、少女も慌てたように付け足した。

「わ、私も場違いかなとは思いましたよ!?でも、この人がお礼を言えって――」

「…総司…」

「…………」

「あ。……ごめんごめん。そうだよね、僕が言ったんだもんね」

ひいひい笑い過ぎて涙目になった総司は、少しだけ背筋を正して少女に向き直った。

「どう致しまして。僕は沖田総司と言います。礼儀正しい子は嫌いじゃないよ?」

「…………。ご丁寧に、どうも……」

そういうとペコリと頭を下げた。

「……わざわざ自己紹介してんじゃねえよ」

「副長。お気持ちはわかりますが、まず移動を」

「…華音ちゃん、出ておいで」

総司が物陰を見てそういうと、町娘の格好をした少女が出てきた。

「…また厄介事増やしやがって」

「たまたまこの子も追いかけられてたんだから仕方ないじゃないですか」

「…すみません」

その場から動かない華音という少女に総司は手招きをして、近くに来るよう促した。





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あきゅろす。
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