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紅き血の誓い
03
「…総司。いつまで見てるつもりだったのさ」

総司は恨み言を言いながらも、楽しそうに微笑んでいた。

「俺たちは務めを果たすべく動いたまでだ。……あんたと違って、俺に戦闘狂の気は無い」

「うわ、ひどい言い草だなぁ」

まるで僕が戦闘狂みたいだ、と総司は笑いながら言った。

「……否定はしないのか」

「でもさ、あいつらがこの子を殺しちゃうまで黙って見てれば僕たちの手間も省けたかな」

「さあな。…少なくとも、その判断は俺たちが下すべきものではない」

少女は自分が追い込まれていることを理解したのか、そのまま茫然と二人の会話を聞いていた。

「まさか――」

不意に少女の声が聞こえた。すると、少女に刀を突き付けていた人物は目を細める。

「……運の無い奴だ」

氷の刃のような、冷たい声音。

こんなのを聞いて、よく怯えないものだ。いや、内心では怯えているかもしれないけど。

「いいか、逃げるなよ。背を向ければ斬る」

少女はそれを聞いて、こくこくと頷く。すると、彼は思いきり眉間にシワを寄せて、苦々しげに深いため息を吐いた。

「え……?」

すっと刀を納めたのを見て私たちは驚いた。





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