紅き血の誓い
01
襖をそっと開けて外へ出る。
一月ということもあり、いつもより寒さが増していた。
この時間は隊士があまり通らない。
だから男装もせずにいつもの服装で歩いていた。
――あの夜。
幹部の数人が土方さんに呼ばれて。
行ってみると、千鶴も居た。
結局、千鶴は土方さんの小姓ではなく、男で通すらしい。
総司はつまんなそうな顔をしていたが、私はあえて無視をした。
そんなこんなで思い出していると、目的の部屋に着く。
「雪村さん」
「は、はいっ」
私が声をかけると、千鶴は慌てながらこちらに走って来て、襖を開けた。
「中、入ってもいいかな?」
「どうぞ。何もありませんが…」
「じゃ、お邪魔しまーす」
すっと体を滑り込ませて中へ入る。
すると千鶴も襖を閉めて、私の目の前に座った。
「…あの、何かご用でしょうか」
「あ、うん。雪村さん退屈してるんじゃないかなーって思ってさ。一緒にやらない?」
そう言って私は折り紙を千鶴に見せる。
「…いいんですか?」
「一人でやっててもつまんないしさ。もしよかったら付き合ってくれると嬉しいな」
「ありがとうございます」
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