紅き血の誓い
01
月の光が怪しく地面を照らす。私たちは脱走した[彼ら]を探す為に、夜の京の都を走っていた。
その途中で見つけた人影が気になって、私は一人隊を離れる。
(さっきのあれって…女の子?)
男装していたが、間違いない。そして、その少女を追いかけている浪人たちがいた。
物影に隠れた少女を見て、私は浪人が追ってきてないことを確かめた。
けど、次の瞬間。
「ぎゃああああああっ!?」
「っ!?」
近くで絶叫が聞こえた。とりあえず様子を見るために、浪人の姿が見えるところに隠れた。
「畜生、やりやがったな!」
「くそ、なんで死なねぇんだよ!…駄目だ、こいつら刀が効かねぇ!」
そーっと覗き込むようにそこを見た。すると、浪人を切り殺している白い髪の[彼ら]を見つけた。
本来なら、すぐにでも対処した方がいいんだけど、浪人たちを助けるわけにもいかないし。
「ひ、ひひひ……」
「た、助け――」
浪人たちは命乞いをしながら後退る。けれど、[彼ら]は何のためらいもなく刀を振るった。
「うぎゃああああああっ!?」
「ひゃはははははははは!!」
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