紅き血の誓い
10
「ま、仕方ねえよ。うかつなのは俺らの担当だろ。主に平助」
「そ、そんな責めるなよ!オレだって悪気は無かったんだからさ!」
それから少女の顔色をうかがうように見て、もごもごと何か呟いた。
「ご、ごめんな……?」
「えっと……」
少し考えた後、少女はぎこちなく頷いた。
「……行くぞ」
「は、はいっ」
兄様は少女を連れていくと、部屋にいたほとんどが小さくため息を吐いた。
「…で。結局どうするんですか、土方さん」
「…まだ確かめなきゃならねぇこともあるからな。どうとも言えねえよ」
「…確かめること?」
…なんだろう?
軽く首を傾げていた私に、土方さんは目を向けた。
「あいつのこと、おまえも気づいてるんだろ。気づいてねぇ奴もいるみたいだが……」
「なるほど、そゆことですね」
「近藤さん」
土方さんが近藤さんに言葉をかけると、うむ、と一言言った。
「一旦解散とする。トシ、総司、連れて来た少女の部屋へ案内してくれ」
「わかりました」
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