紅き血の誓い
09
「あーあ。これでますます、君の無罪放免が難しくなっちゃったね」
「うぅ……」
「男子たるもの、死ぬ覚悟くらいできてんだろ?おまえも諦めて腹くくっちまいな」
……男子?
ああ、そうか。気づいていない人もいるんだよね。
「小羽ちゃん」
「…ん?」
総司は、自分の唇の前に人差し指を置いた。
…内緒、ですか…。
「確かに、潔く死ぬのは男の道だな。俺も若い頃は切腹したし……」
「左之の場合、まだ生きてるけどな」
楽しげに笑う二人が話の腰を折ったところで、兄様が口を開いた。
「土方さん。……結論も出ないし、一旦、こいつを部屋に戻して構いませんか?」
そう言って、兄様は少女に目を向ける。
「同席させた状態で誰かが機密を洩らせば、…処分も何も、殺す他なくなる」
「……っ!」
確かに兄様の言う通りだった。また平助みたく、誰かが余計なことを言ってしまうかもしれない。
「そうだな、頼めるか」
その言葉に、兄様は頷いた。
「私もその判断には賛成しますよ。ここには、うかつな方も多いですしね」
「うっわ、山南さん……。わざわざこっち見て言うとかキツいよ」
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