紅き血の誓い
06
「私は、その浪士たちから逃げていて……。そこに新選組の人たちが来て……。だから、私が助けてもらったようなものです」
…あーあ。やってしまったなぁ…。君は嘘を突き通せないタイプなんだね…。
「じゃ、隊士どもが浪士を斬り殺してる場面はしっかり見ちゃったってわけだな?」
「!!!」
少女はそのまま沈黙してしまった。
まさか、自分からばらしてしまっていたとは思っていなかったのだろう。
「つまり最初から最後まで、一部始終を見てたってことか……」
「っ……!」
「おまえ、根が素直なんだろうな。それ自体は悪いことじゃないんだろうが……」
左之さんは曖昧に言葉を切る。
少女は必死に口を開いて震える声で主張した。
「わ、私……。私、誰にも言いませんから!」
「偶然、浪士に絡まれていたと言う君が、敵側の人間だとまでは言いませんが……」
山南さんは一度、言葉を止めると再び喋りだす。
「君に言うつもりが無くとも、相手の誘導尋問に乗せられる可能性はある」
「う……」
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