紅き血の誓い
03
「てめえ……。裏切るのか、左之」
「へへーん。新八っつぁん、図星されて怒るって大人げねぇよなぁ」
三人は冗談みたいな口調で話していたが、少女に対する敵意はそのままだ。
少女を見ると、不安そうな顔で俯いていた。
欠伸をしながら、目を閉じると、総司がからかってきた。
「あれ〜?小羽ちゃん、もしかして眠いの?僕が起こしてあげ「眠くないから」
もちろん、嘘だけど。
仕方ないから目を開ける。すると、一人足りないことに気づいた。
「…総司が連れて来たあの子は?」
「…ああ、華音ちゃんね。さっき部屋に行ったんだけど、熱出しちゃっててさ。とりあえず片手だけ縛って柱に繋いでおいたんだ」
ぐるぐる巻きにしたら体に響くからね、と案外優しい総司に目を見開く。
「…ひどいなぁ。僕はいつも優しいでしょ?」
「――どこが?」
いつもからかってばっかりの間違いじゃないか?まあ、優しいんだろうけど。
「口さがない方ばかりで申し訳ありません。あまり、怖がらないでくださいね」
「あ……」
優しい言葉をかけられたからか、少女の顔は少し楽な顔になっていた。
「何言ってんだ。一番怖いのはあんただろ、山南さん」
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