紅き血の誓い
02
「…遅かったじゃねぇか」
広間の襖を開けた途端に言われたその言葉。私は苦笑しながら中に入る。
「すみません。まだ眠気が覚めてなくて」
入ったら、昨日の少女がいることに気づいた。なにやら総司がからかったとかで少し顔が赤い。
「…総司。またこの子をからかって」
そう言うと、総司は笑顔のままこちらを振り向く。
…何考えてるかわからないんだよね、その笑顔。
ふぅ、とため息を吐いて柱に寄り掛かった。
「でさ、土方さん。……そいつが目撃者?」
平助は少女を一瞥してから、口を開いた。
「ちっちゃいし細っこいなあ……。まだガキじゃん、こいつ」
「おまえがガキとか言うなよ、平助」
「だな。世間様から見りゃ、おまえもこいつも似たようなもんだろうよ」
二人の話を聞いていると、軽く眠くなってきた。
…寝不足だったかなぁ…。
すると、平助は二人に反抗するように言う。
「うるさいなあ、おじさん二人は黙ってなよ」
「ふざけんなよ、このお坊ちゃまが!俺らにそんな口聞いて良いと思ってのか?」
「平助におじさん呼ばわりされるほど、年食ってねぇよ。…新八はともかく、俺はな」
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