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TOV〜もう一つの物語〜
シャイコス遺跡へ
ある朝、リタに遺跡調査に行こうと誘われた。

何か調べたいことがあるらしい。

一人で家に残るわけにはいかなかったから、私もついて行くことにした。


シャイコス遺跡へ


「ねぇ、リタ」

「なに?」

私たちは外へ出るために、門を目指していた。

といっても、門までの距離は目と鼻の先くらいだけど。

「何を調査しに行くの?」

「遺跡に決まってるでしょ」

「…それはわかってるけど」

門を通り、外へ出る。暗い所から出てきたせいか、外の光は眩しかった。

「実際には、その遺跡の地下を調べに行くのよ」

「地下…?そんなのあったっけ?」

「最近になって見つかったらしいわ」

「そうなんだ」

地下というのは地下遺跡のことで、古代ゲライオス文明の遺産、魔導器が眠っているとか。

アスピオから少し離れた場所にあるシャイコス遺跡。

そこへ向かって歩いていると、イノシシのような魔物が物凄い突進を仕掛けてきた。

私とリタは左右に分かれてそれを避ける。

「ミレイ!」

「うん!」

素早く術式を組み上げる。そして、発動した。

「揺らめく焔、猛追!ファイアボール!」
「ささやかなる大地のざわめき!ストーンブラスト!」

二人の放った術が魔物に衝突すると、その魔物はバタリと倒れた。

「…ふぅ」

「じゃ、行くわよ」

そう言ってリタは遺跡に向かって走り出す。

「あ、待ってよ、リタ!」


少し走ると、見えたのはシャイコス遺跡。

その入口で私たちは止まった。

「地下への入口は、女神像の下って言ってたわ」

「ああ、あの巨大な…」

私は苦笑しながらその女神像を思い出した。

「あんな大きいの、私たちだけで平気なの?」

「大丈夫よ。先に他の魔導士が行ってるから」

私はその女神像を見た。すると、確かにその隣には地下へ続く階段があった。

「本当だったんだ…」

「さ、行くわよ」

そう言ってリタは階段を下り始める。

私はその後を静かについて行った。


「わ…。大きい…」

「あんまり端歩かないように気をつけなさいよ。滑るから」

「あ、うん」

少ししたら行き止まりになった。

目の前にはなにかの魔導器。

リタは指に指輪みたいなのをつけると、その魔導器に向けて打った。

すると、その魔導器が光り、紋を現した。

「ストリムの紋…」

私がそう呟いたとき、さっき通った道に、階段が出てきた。

それと同時に壁が動いた、気がする。

ガコンッ

「…リ…リタ…?あれ…」

私はリタの方を恐る恐る振り向く。

リタもそれを見て、ため息を吐いた。

「…侵入者退治の罠が発動したのね」

「…運が悪い?」

私とリタは構えた。

(…仕方ないわね。倒しながら行くわよ)
(了解!)


2010.06.29(火)

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