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TOV〜もう一つの物語〜
力の暴走
私は始祖の隷長と人の子から産まれてきた。

お母さんは私が産まれた時に亡くなった。

お父さんは一人の青年を連れてきた。

その青年の名前はデューク。

人見知りなどしなかった私は、デュークを迎え入れた。

デュークも私を受け入れてくれた。


力の暴走


お父さんとデュークと過ごしてから、3年の時が過ぎた。

私は、ちょうど5歳になった。

「デューク、なにしてたの?」

私は外から帰ってきたデュークに尋ねる。

「ミレイ」

デュークは私を抱き上げると、頭をそっと撫でた。

それがくすぐったくて、私は頬をすりよせた。

「今日はエルシフルと一緒にお出かけしてきたんだよ」

「お父さんと?」

「そうだ」

「お父さん!」

私はデュークの後ろに現れたエルシフルを見つけた。

「どこいってきたの?」

「この前、ミレイが言っていた所だよ」

「あ…」

私は思い出す。突然何か強いものが世界に溢れさせたのを。

「そうなの?じゃあ、ミレイは部屋に戻るねっ」

私は少し戸惑いながら部屋へ向かおうとすると、デュークに呼び止められた。

「ミレイ」

「な、なぁに?」

「明日出かけようと思うんだが、一緒に行こう」

ミレイはぱぁっと明るくなると、とびっきりの笑顔で言った。

「うん!ありがと、デューク」

ミレイはそのまま部屋へと走り出した。

その途中。

ドクンッ―

「え―」

私は意識がなくなる前に、焦りながらこっちに向かってくるデュークを見た。


「くっ―」

「デューク!」

デュークはミレイを抱きしめ、体から吹き出す炎と戦っていた。

「ミレイ!」

デュークはミレイを呼ぶが、ぐったりとしているだけで返事はない。

「―ψ」

突然、何かわからない声が放たれる。
その声はミレイの口からはっせられていた。

「αγΦδχ―」

それは何か詠唱のように聞こえる。

デュークはミレイを抱く腕に力を入れると、さらに炎が襲いかかってきた。

デュークは必死に呼びかける。

(―お願いだから、目を覚ましてくれ―)
(…デューク)


2009.11.03.(火)

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