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春夏秋冬イベント夢
エイプリルフール(TOL)
「お兄ちゃん!起きてってばっ!お兄ちゃん!」

シャーリィは寝ているセネルを揺さぶる。

「…ん…」

セネルは眠そうに目を開けた。

「…お兄ちゃん」

「…ん?」

「今日…何の日?」

「…んー」

セネルはベッドに寝そべったまま考える。

「…シャーリィと…出かける日…。あっ!」

ガバッと布団から飛び起きたセネル。

シャーリィは小さく溜め息をついた。

「お兄ちゃん、早く行こう」

シャーリィはセネルの手を引く。寝起きのセネルはその衝撃でベッドから落ちた。

「…って…」

「大丈夫?お兄ちゃん」

「…大丈夫だよ。さ、行こう。シャーリィ」


たまには二人で出かけるのもいいな、という訳で、船に乗って少し遠い街に行くことになった。

シャーリィは待ち合わせに2時間も遅刻していたセネルを迎えに来たらしい。

「…ねぇ、お兄ちゃん」

「ん?」

シャーリィは潮風に吹かれながら、セネルを見る。そして一言、言った。

「私ね…水の民の里に帰ろうと思うんだ」

「…そうか」

セネルは一瞬驚くと、少し悲しそうな顔をした。

「…シャーリィ、元気で」

シャーリィはニコリと笑うと言った。

「お兄ちゃん、今日は何の日か知ってる?」

「シャーリィと出かける日…じゃないのか?」

「エイプリルフール」

「…あ!」

ニコニコと満面の笑みを浮かべているシャーリィ。セネルは顔を片手で隠した。

「遅刻したお返しだよっ」

そう言われれば返す言葉もなく。

シャーリィはセネルの元へ近づいて、言った。

(…ずっとお兄ちゃんの傍にいるから)


2010.04.01(木)

あとがき

エイプリルフールです。

皆さんはどんな嘘をつきましたか?

エイプリルフールの事を知らない人に嘘をつくと、大変なことになりますよね…






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