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Tales of Vesperia
休憩には甘い物
ハルルの街から出て少し行ったところで、休憩をすることになった。

なんだかんだで疲れたからなぁ…。

「そういえば。ユーリはアスピオを行きたいんでしょ?」

「ああ」

「ハルルの東、洞窟の中に街があるんだけどね。そこが学術都市アスピオよ」

「ということは、ちょうど目的と重なってるんです?」

「そういうことになるな。にしても、よく知ってたなミレイ」

その言葉に、ミレイは一度言葉を詰まらせるが、すぐに話しだした。

「…シヴィリアとユーリに会う前…噴水の中に飛ばされる前、私、アスピオに居たから」

「…だからモルディオって名前が出てきたとき、様子がおかしかったんだな」

「………」

何も喋ろうとしないミレイに、ユーリは剣を抜いて突き付けた。

「ユーリっ!?」

「止めてください!ミレイは仲間ですよ!」

「…モルディオとはどんな関係だ」

「…家族、みたいなものよ。血は繋がってないけどね」

それだけ聞くと、ユーリは剣を鞘に納めた。

「ユーリ…?」

「ただ確かめたかっただけだ。…すまねぇな」

「別に気にしてないよ。…あ、じゃあお詫びに何か甘いもの作ってよ。ユーリが作ったの、私好きだし」

「…しょうがねぇな」

「やったっ」

にこりとミレイが笑うと、ユーリは楽しそうに料理を始めた。

「…ミレイは甘いものが好きなんです?」

「まあね。ユーリと同じで甘党だからさ」

「ユーリは甘党なんですね…。意外です」

エステルがほほえましく笑うと、それに気づいたのかユーリはムスッとしながらエステルを見る。

「いーだろ、別に」

「いいと思いますよ。好みは人それぞれですから」

「…出来上がり。ほらよ」

そう言って人数分のシャーベットを配る。

「わぁ、おいしそうです!」

「ユーリの作ったものだから甘いと思うよ」

「…ちょっと待て、シャーベットは甘くなきゃ意味ねぇだろうが」

「ん〜っおいしー!」

ぱくぱくと食べていくミレイを見ながら、私たちも食べ始めた。

「…おいしいですっ」

「だろ?」

「さすがユーリっ僕にも今度教えてよ!」

「おう。厳しく教えてやっから覚悟しとけよ?」

「えぇー!」

カロルが不満そうな声でユーリに言ってるのを見て、私はくすりと笑ってしまった。

「…ごちそうさまー。やっぱり疲れたときには甘いものはいいね」

「お粗末さまでした。…だろ?」

「…二人とも甘いものが好きなだけでしょ?ごちそうさまー」

最後の一口をパクリと食べて立ち上がると、ラピードが私の隣まで歩いてきた。

「ラピード」

「わふっ」

ラピードの頭を撫でてやると、ラピードは目を細める。

「…シヴィリア、羨ましいです…」

「…そのうちエステルにも懐いてくれるよ」

「…ですよね。私、頑張ります!」

グッと意気込むエステルを見て私は笑った。

「さてと。そろそろ行くか」

使ったものを片付けてから、ユーリは立ち上がった。私たちもそれぞれ立ち上がると、エステルがにこりと微笑む。

「はい」

「よし、行こっか!」

「ん」

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