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Tales of Vesperia
花の街ハルル
数十分歩いたところで、花の街、ハルルに着きました。

なんか雰囲気が違う、とミレイは言ってるし。

「ここが花の街ハルルなんですよね?」

「うん、そうだよ」

「…ここ、結界はどこいったの」

ミレイは周りを見渡してカロルに問いかける。

「…ああ。結界の力が弱まった時に魔物の襲撃を受けたんだ」

「そんなことはどうでもいいから!」

「魔物はやっつけたけど、樹が徐々に枯れはじめてるんだ」

カロルがそう言うが否か、ミレイは走り出した。

「どこ行くの!?」

「結界魔導器見てくるっ」

私はミレイに気を取られてたからよくわかんないけどカロルが、あ!と驚いた声が聞こえた。

「ど、どうしたんです?」

「ごめん!用事があったんだ!じゃあね!」

それだけ言うとカロルは走りだした。

「勝手に忙しいやつだな」

「まあ、いいんじゃない?もともと勝手に着いてきたわけだし」

「そうだな。…エステルはフレンを探すんだよな…」

既に遠くで怪我人の世話をしているエステルを見て、ユーリはため息を吐いた。

「大人しくとけってまだわかってないらしいな。それにフレンはいいのかよ」

「ユーリ。私、ミレイの様子見てくるね」

「ああ。頼む」

エステルはユーリに任せて、私はミレイが走っていった坂を上り出した。


「ミレイ?」

上りきってもミレイの姿は見えない。

見上げると、大きい樹が枯れていた。

「…ハルルの樹の結界魔導器。大丈夫かなぁ」

樹と魔導器は共有している。

だから樹が枯れれば魔導器も…。

…嫌な考えは捨てないと。

一度、ユーリのところに戻るか、と歩きだそうとすると不意に朱色の髪が見えた。

「…ミレイ?」

「…ん?あ、シヴィリア」

ミレイは樹の根っこをピョンピョンと跳んで、地面に着地すると渋い顔をした。

「…どうだったの?」

「…駄目ね。樹がやられてるから結界魔導器に手が出せない」

私でも手が出せないなんて、とミレイは愚痴る。

「…よっ」

「ユーリ!」

「…カロルは?」

確かにカロルがいない。エステル、ラピードはいるけど。

「どっか行ったっきりだ。で、どうだった」

ユーリに聞かれて、ミレイは頭を横に振る。

「…ダメだった。樹が枯れているのが原因よ」

樹は専門外だもん、とミレイは諦めた。

「…そうか」

「…樹を治せば、結界魔導器も治るってこと?」

「そういうこと」

そんなこんなで喋っていると、何やら独り言をぶつぶつと喋っていたカロルを見つけた。

「…あ、カロル!相談したいことあるんだけど」

ミレイは私たちに先に宿に行ってて、とそれだけ言ってカロルをつれてどっか行ってしまった。

「…宿に行きましょうか?」

「そうだな、行くぞシヴィ、ラピード」

「うん」

「わん」

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