[通常モード] [URL送信]

Tales of Vesperia
プレゼント
下町

「ったく、シヴィはいいけどなぁ、フレン!」

「どうしたんだい、ユーリ?」

フレンは真顔で言う。

そんなフレンを横目で見て、わざと心配するかのように言った。

「おまえ、騎士団からぬけだしても平気なのか?」

フレンは爽やかに言った。

「親友の誕生日なんだ。そっちの方が優先だろ?」

「う゛…」

「お、ユーリ。やっと戻ってきよったか」

後ろから声がすると思って振り返ってみると、そこにはハンクスじぃさんがいた。

「ハンクスじぃさん!?」

「こんにちは〜!」

「おぉ、シヴィリア。久しいのう、何年ぶりじゃ?」

驚くユーリをよそに私とハンクスじぃさんは話だした。

「そんなに経ってないよ」

私は苦笑いしながら言う。

「そうじゃったな。ほれユーリ、これをやろう」

ハンクスじぃさんはそう言いながら、ユーリに何かを手渡す。

「これは?」

「飲んでからのお楽しみじゃよ」

「?」

ユーリは疑問を浮かべつつも、とりあえずそれを受けとった。

「とりあえず、ありがとな」

そう言ってユーリは歩きだした。

「飲みすぎて、体壊すんじゃないぞー!」

「わーってるよ!」

適当に返事をしながら、ユーリは自分の部屋へと歩いた。


「では、カンパーイ!」

カツンッとコップどうしがぶつかりあう。

みんなで一斉に飲もうとした瞬間。

「っ!待て!」

ユーリが叫ぶ。フレンは止まるが、私はそのまま、飲んでしまった。

「あ…」

こくんっと全部飲み干す。すると、私の顔が赤くなった。

「んにゃ〜。ユーリぃ?」

「酔ったな…」

ユーリが呆れたようにため息をついた。フレンはコップの中に入っている液体のにおいを嗅ぐ。

「これは…酒か…」

くらくらになって倒れそうな私を受け止めながら言った。

「フレン、未成年者に…平気なのか?」

「…たぶん」

二人はしばらく私を見ていたが、ため息をつくとコップをもつ。

そして、私をベッドに寝かせる。

「まぁ…いいか」

「そうだね。おめでとう、ユーリ」

フレンがそう言うと、ユーリはニカッと笑って言った。

「おう!」

そして一気に飲んだ。


ぐで――――――。

「ふ…ふふふ…」

フレンが不気味に笑いだした。

「おー!もう一杯!」

ユーリはまた飲みだす。

そんな二人をよそに、すやすやと寝息をたてる私。

「ふふふふふ…!どうして僕は!こんな暑苦しい服なんか着ているのだろう!」

バカ騒ぎを朝まで続いていたのは、言うまでもない。

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!