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Tales of Vesperia
デイドン砦へ
私たちは朝食を食べ終わると、食器を片付けているカレンの手伝いをしようとする。

「いいですよ〜、これも私の仕事ですし」

カレンはそう言って、にこりと笑った。

「すみません、ありがとうございます」

「ごちそうさまでした」

「…さて、と」

ユーリはかったるそうに立つ。

「もう、行かれるんですかぁ?」

「ああ。泊めてくれてありがとな」

私もミレイと一緒に立った。すると、エステルもゆっくりと立ち上がり、深々とお辞儀をする。

「いろいろとお世話になりました」

「また何処かでお会いしたら、この冒険王をよろしくお願いしますね〜」

「はい!」


カレンたちと別れてデイドン砦へと向かう。

「…お」

ユーリの声にみんな立ち止まった。

「どうしたの、ユーリ」

「ほら、あれ」

ユーリは楽しそうにそれを指差した。

それというのは、キノコとウルフ。

私はそれを見て、軽く微笑んだ。

「…懐かしいね」

そう呟いたあと、私たちは構えた。

「…来ます!」

エステルの声とともに、ウルフたちが襲い掛かってきた。

「シヴィ!」

「了解!」

するり、とウルフの攻撃をかわしてユーリとともに挟み撃ちにして、技を出す。

「蒼破っ!」
「魔神剣っ!」

そして、ウルフはバタリと力無く倒れる。

「揺らめく焔、猛追!」

ミレイの詠唱中にウルフが一匹、向かっていく。

「わふっ!」

その途中でラピードが足止めをする。

「ファイアボール!」

発動した術はまっすぐ飛んでいき、ウルフにあたった。

「スターストローク!」

エステルが放った技がキノコに直撃して、真っ二つになる。

「よし!」


一通り倒したところで、私は剣をしまった。

「それにしても、多かったねー」

「まあ、俺たちの敵じゃねえな」

ユーリは地図を取り出すと、目の前にある砦を指差した。

「…あれがデイドン砦か?」

「行こう」

ミレイはラピードとともに歩きだす。

「あ、待ってください…!ほら、ユーリとシヴィリアも!」

エステルは私たちにそういうと、ミレイの後を追う。

「ミレイたち行っちゃったし、私たちも行こう?」

ユーリは地図をしまいながら、小さくため息を吐いた。

「…ったく、急ぐ必要なんてないだろうにな」

「歩き疲れたんじゃない?」

「…さっき休んだばかりだと思うぞ」

「まあ、いいじゃない!行こ!」

私はユーリを置いて走り出した。

「待て、シヴィ!」

ユーリもみんなの後を追い掛けるように、デイドン砦まで走った。

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あきゅろす。
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